看護師の仕事は大変な仕事

看護師の仕事は大変だと一般的には言われています。具体的に大変な部分は大きく分けると三つに分けることができます。

一つ目は勤務時間が長く、不規則なことでしょう。病院によっても違いがありますが、入院患者は24時間日々の経過を見てもらう必要があり、交代制で夜勤も対応する必要があります。不規則な生活サイクルの中で激務を乗り切る体力を維持する必要があります。

二つ目は、専門知識の修得です。具体的には患者の症状等をどのように観察して看護に活かすか、看護日誌への記入方法、処方される薬に関する知識、手術に関する知識等です。医者が治療のために必要としているレベルの知識までは必要ないですが、それでも看護をするにあたって必要な知識は膨大になってしまいます。経験を積みながら知識も修得していく必要があるのです。

三つ目は患者さんの心のケアの部分です。患者さんはそれぞれ置かれている病状も違いますし、その病気をどのように捉え、どの程度のストレスを抱えているかも違います。不治の病になって心の闇を抱えている人もいるでしょう。そういった患者さんの心の闇とも付き合っていかなくてはなりません。その中で患者さんの心に寄り添った看護ができれば、感謝されることも増えるでしょう。それが自身の励みになって、大変な仕事だけど続けようというモチベーションを維持できるかもしれません。看護師はそういった大変な状況の中で、まずは自分の体と心の健康を維持することが大切です。

患者との距離が近い看護師だからできること

看護師は医療従事者の中でも最も患者との接点が多く、心理的にも距離が近い位置にいるのが特徴であり、患者が最も心を開いてくれる可能性が高い相手となっています。そのため医療現場において医師にはできない務めを果たせるケースが多々あり、QOLの高い医療を実現していく上では欠かせない人材です。

特にその傾向が顕著なのが精神科や心療内科であり、心の闇を抱えている患者を苦しみから解き放ってあげられる可能性を秘めているのが看護師です。医師やカウンセラーによって治療が進められていくのが一般的ではあるものの、患者からすると打ち明けにくい内容も多々あります。家族であれば打ち明けられるという内容であれば、家族が医師などに伝えることで治療方法が見いだせる場合もあるでしょう。しかし家族では身近すぎて話しづらく、医師では距離的に遠すぎて打ち明けられないという内容があることも珍しいことではありません。そういった際に中間的な立ち位置になるのが看護師であり、心の闇の鍵となっている部分をふとした機会に打ち明けてもらえることがあるのです。特に入院患者の場合には普段から身辺のお世話をしてもらっていたり、日常会話の相手になってもらったりしていることも多く、病院の中での数少ない友達という感覚を持つ人も少なくありません。そういった立場に立てることによって、他の医療従事者にはできない役割を果たして治療に貢献していくことができるのです。